鼻涙管とは、涙が目から鼻へと流れる細い管のことです。この管が詰まってしまうと、涙がうまく流れなくなり、目にあふれてしまう状態を鼻涙管閉そくと呼びます。多くは自然に治癒しますが、処置が必要となる場合もあります。

睫毛内反症とは、まつ毛が眼球に向かって生え、角膜や結膜を刺激してしまう状態です。特に、下まぶたのまつ毛が内側に入り込みやすく、黒目（角膜）に触れてしまうことが多いです。黒目にキズができると、痛みが生じたり、視力低下を引き起こすこともあります。

斜視とは、片方の目が目標とする方向を見ているときに、もう片方の目が違う方向を向いている状態を指します。目の位置がずれているため、両眼で見た像を脳で一つにまとめられず、ものが二重に見えたり、立体的に見えなかったりすることがあります。斜視の原因は、目の筋肉のバランスの乱れや、目の神経の異常、遠視などの屈折異常など様々です。子どもの斜視は、弱視の原因となることもあります。斜視の種類には、目が内側に向く内斜視、外側に向く外斜視、上や下に向く上斜視・下斜視などがあります。治療法は、原因や種類によって異なりますが、眼鏡による屈折矯正、遮蔽訓練、視能訓練、手術などがあります。お子さんの眼のどちらかが真っ直ぐ前を見ていない場合には、早めにご相談ください。

弱視とは、単に視力が悪いことではありません。視力の発達時期に両眼視機能が正常に発達せず、眼鏡等で矯正しても十分な視力が得られない状態です。脳へ視覚情報を伝える神経回路の発達が妨げられることが原因で、斜視、屈折異常、不同視などが考えられます。弱視は他人から発見しづらく、本人も気づきにくいのが特徴です。治療は視力の発達時期に行う必要があり、眼鏡や遮蔽訓練などで「見えている」状態を脳に覚えさせます。9歳以上になると治療が困難になるため、早期発見・早期治療が重要です。3歳児健診などを活用し、気になる症状があれば早めに眼科受診をおすすめします。

乱視とは、目の角膜や水晶体がラグビーボールのように歪んでいるために、目に入ってきた光が一点に集まらず、ものがぼやけたり、二重に見えたりする状態です。
乱視には先天性（生まれつき角膜や水晶体が歪んでいる場合）と後天性（角膜の病気や外傷、手術などが原因で起こる場合）があり、多くは先天性です。乱視があると、目に入ってくる情報がぼやけるため、視力の発達が妨げられることがあります。特に、子どもの場合は、弱視の原因となることもあるため、早期発見・早期治療が大切です。

小さいお子さんは、当然ながら目の大きさも小さいです。そのため、目の奥行（眼軸）が短く、これが遠視の原因の１つとなります。遠視とは、遠くが良く見える状況と思われがちですが、強い遠視になると、どこにもピントを合わせることができません。これにより、視力の成長が進まないと、弱視になることがあります。